食と暮らしを支える

三好市東祖谷中上集落にある落合集落展望所からは、落合集落の全景を望むことができる。落合集落にある傾斜地畑では、雑穀や季節ごとの露地野菜等の農産物が栽培されているが、耕作面積が狭小なことから少量多品目で栽培されている。これにより、食糧自給を効率的に行うことができる自給的農業が集落内で確立されている。

伝統と自然を守る

落合集落では、傾斜地に水平面を造らず、そのまま畑として活用する「にし阿波の傾斜地農耕システム」が保全されている。傾斜畑では、土壌流亡の抑制や有機肥料等としてカヤが利用されているほか、傾斜畑の耕作に対応した石垣や水路が形成されている。険しい山間地域で、自給自足を主とした生活文化が形成されている代表的な地域の一つである。

風土に根付いた文化

落合集落では、近世や近代に建築された歴代的建造物が複数存在するが、最近では、こうした建造物を茅葺き民家として復元し、宿泊施設や体験施設に活用した取り組みが進められている。これらの歴史的建造物と共に、季節に応じて、コエグロやハデといった農業資材が今も作られている。

人と環境が調和した景観

落合集落では、中世から営まれる傾斜地での生活文化そのものが景観資源となっている。集落内では、建造物や石垣などを特定建造物として、保存と規制を図りながら、伝統的な集落景観の保全に取り組んでいる。集落全体が、国の重要伝統的建造物群保存地区に選定されるほど、歴史的にも文化的にも高い価値を有している。

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