祖谷に残るヤツマタを保存し特産品へ
東祖谷雑穀生産組合(三好市東祖谷)
日本三大秘境の三好市祖谷地方。ここにソバなどと共に昔から栽培されていた雑穀があります。それが「ヤツマタ(シコクビエ)」です。
ヤツマタはアフリカ原産のイネ科の植物で、日本でも古くから主に四国などの山間部で栽培されていました。栄養価が高いことから近年スーパーフードとしても注目されています。
このヤツマタを三好市東祖谷の人たちで保存する取り組みが行われています。
代々家で受け継がれてきたヤツマタを毎年絶やさないように大切に栽培していた一人の男性がいました。この男性は唯一のヤツマタの生産者でしたが高齢となったため、地元の人たちが種を受け継いでヤツマタの保存に取り組もうと平成28年に雑穀生産組合を立ち上げました。
組合では、毎年栽培を続けて種を増やしていきました。栽培から4年目の去年の秋には地元の小学生と一緒に種まきをし、海外からボランティアでやって来た人にも収穫を手伝ってもらい約100kgのヤツマタを収穫しました。
11月には、収穫祭としてヤツマタの粉末にした商品や、小学生がスコーンなどのお菓子を作って販売しました。
東祖谷では、地元の食堂やゲストハウスでヤツマタを使った料理を提供し、観光客にも祖谷の味を楽しんでもらえるようになっています。
組合ではこれからも生産を増やし、ヤツマタのお菓子などの加工品を作って地域の特産品にしていきたいということです。