シンポジウム 「在来農業とわたしたちの未来~日本と世界の在来農業をめぐる課題と可能性~」がおこなわれました。チラシ PDF >>
- 日時: 2015年9月13日 14:00〜(受付:13:30~)
- 会場: 穴吹農村環境改善センター
- 参加費: 無料
- 要旨:
古くは“ソラ”とよばれたにし阿波の山間部で暮らす人びとは、ときには斜度30度以上にもなる急傾斜地という厳しい環境で農業を営むために、驚くほど理にかなった工夫を凝らしてきました。地域の人びとが培ってきた農業や土地利用にかかわるユニークな知識・技術・制度・価値観や信仰の体系は、この地域特有の美しい景観や多様な動植物を育んできました。しかし、こうした在来農業や土地利用の工夫およびそれらに関わる文化・景観・生物種は、社会や農業の近代化の中で危機に瀕しています。たしかに大量生産・機械化・効率化などを至上とする「近代的農業モデル」の価値観に基づけば、在来農業は魅力的でないかもしれません。しかしながら、エネルギーの持続可能性や食料の安定供給、あるいは土地に対する価値観や想いといった観点からは、在来農業の重要性は今後ますます高まるかもしれません。また、とくに今世紀以降の世界各地では在来農業や文化に基づく観光開発や文化運動が盛んになっています。
このシンポジウムでは、世界や日本の各地で実践されている在来農業と比較しながら、にし阿波地域で培われてきた在来農業の特徴や可能性を再発見します。そして在来農業を地域社会さらには人類全体の未来をひらく資源として活用していくための可能性や課題について考えます。
- プログラム
13:30~ 受付【第1部】
14:00~14:20
ごあいさつ:兼西 茂(徳島剣山世界農業遺産推進協議会会長、つるぎ町長)、牧田 久(徳島剣山世界農業遺産推進協議会副会長、美馬市長)
趣旨説明:内藤 直樹 (徳島大学 総合科学部 准教授)14:20~14:35 基調講演(1)
「世界農業遺産 静岡の茶草場農法について」
稲垣 栄洋 (静岡大学学術院農学領域 教授)14:35~14:50 基調講演(2)
「東アフリカと日本の雑穀栽培とその可能性について」
加藤 太 (日本大学 生産資源科学部 助教)14:50~15:00 休憩15:00~15:15 基調講演(3)
「伝統的農法が維持してきたススキ草地の植物の多様性」
山城 考(徳島大学大学院 ソシオ・アーツ・アンド・サイエンス研究部 准教授)15:15~15:30 基調講演(4)
「つるぎ町の茅場における獣害の現状把握」
山城 明日香(徳島大学大学院 ソシオ・アーツ・アンド・サイエンス研究部 研究員)15:30~15:45 休憩
【第2部】
15:45~16:30 パネルトーク
「在来農業と地域社会の未来に向けて」
コーディネーター:内藤 直樹 (徳島大学 総合科学部 准教授)
パネリスト:講演者全員、小泉 靖雄 (西渕農産加工研究会 会長)、
山田 一弘(美馬市役所 経済建設部 理事/ 商工観光課 課長)お問い合わせ:
- ①美馬市商工観光課
tel:0883-52-5610
email: syoukou[at]city.mima.lg.jp
②徳島剣山世界農業遺産推進協議会(つるぎ町役場商工観光課内)
tel:0883-62-3111
email: syoukou[at]town.tokushima-tsurugi.lg.jp
※[at]は@(アットマーク)に変更して、メール送信ください。