平成28年2月9日、東みよし町三好東部福祉センターにて、シンポジウム「在来農業が世界から観光客を導く~にし阿波の農業文化観光の可能性~」が開催され、地域住民ら約100名が参加しました。
三好市東祖谷で古民家民宿「空音遊」やゲストハウス「COCO-CROSS」を経営する保坂行徳氏と、香川県直島でゲストハウス「島小屋」を経営する傍ら地域おこし協力隊としても活動する山岸正明氏による講演の他、お2人を交えたパネルトークが行われました。
にし阿波のゲストハウス経営や外国人受入の先駆者である保坂氏からは、ご自身の活動経緯を中心に「旅人・移住者と地域住民が交わることで新たな風土が生まれる」「新しいチャレンジに逆風はつきもの」という、地域住民の意識を高めるご講演をいただきました。
今、アートで国内外から多くの注目を集める直島。その直島で多くの観光客や移住者と接する山岸氏からは、直島の現状やご自身が交流人口を増やすために取り組んでいることなどについてご講演いただき、「役場主導でなく、自分たちで考え、協力して実践していきましょう」と締めくくりました。
続いてのパネルトークでは、お2人を含む5名の登壇者に参加者から多数質問が寄せられました。
「移住者・外国人観光客との交流の必要性」や「地域主体の取り組み」について機運の高まるシンポジウムとなりました。
■シンポジウム名:
「在来農業が世界から観光客を導く~にし阿波の農業文化観光の可能性~」
>>チラシPDF世界農業遺産シンポジウムチラシ(東みよし)
■日時:2016年2月9日(火) 14:00~(受付:13:30~)
■会場:東みよし町三好東部福祉センター 2階 大会議室
(徳島県三好郡東みよし町昼間20-1)
■参加費:無料
■要旨:
古くは“ソラ”とよばれたにし阿波の山間部で暮らす人びとは、ときには斜度30度以上にもなる急傾斜地という厳しい環境で農業を営むために、驚くほど理にかなった工夫を凝らしてきました。地域の人々が培ってきた農業や土地利用にかかわるユニークな知識・技術・制度・価値観や信仰の体系は、この地域特有の美しい景観や多種多様な動植物を育んできました。近年では修学旅行の目的地としてにし阿波が注目され、年間3000人以上の生徒が農家民泊を体験しています。また、東洋文化研究家のアレックス・カー氏が祖谷を「桃源郷のような別世界」と表現し世界に発信したように、日本はもとより世界からも注目を集めています。世界各地では在来農業や文化に基づく観光開発や文化運動が盛んになっています。このシンポジウムでは、にし阿波地域で培われてきた在来農業やそれに付随する農業文化について、観光資源としての活用方法を考えます。そして在来農業を地域社会の未来をひらく資源として活用していくための可能性や課題について考えます。
■プログラム:
13:30~ 受付
【第1部】
14:00~14:20
ごあいさつ:兼西 茂(徳島剣山世界農業遺産推進協議会会長、つるぎ町長)
川原 義朗(徳島剣山世界農業遺産推進協議会副会長、東みよし町長)
14:20~14:35
趣旨説明:内藤 直樹 (徳島大学 総合科学部 准教授)
14:35~15:05
「宿泊で国内外から地域へ人を呼び込む」
保坂 行徳(合同会社ライフアップグレイド 代表)
15:05~15:35
「直島の魅力を活かしたまちづくり」
山岸 正明(島小屋オーナー/直島町地域おこし協力隊)
15:35~15:45 休憩
【第2部】
15:45~16:40 パネルトーク
「にし阿波の農業観光の未来に向けて」
コーディネーター:内藤 直樹 (徳島大学 総合科学部 准教授)
パネリスト:講演者全員、出尾 宏二 (一般社団法人そらの郷 事務局次長)、平野 重秋 (西庄良所会 会長)、松浦 英人(東みよし町役場 産業課 主査)
【主催】徳島剣山世界農業遺産推進協議会
【共催】徳島大学
■お問い合わせ先:
徳島県美馬郡つるぎ町貞光字東浦1-3
徳島剣山世界農業遺産推進協議会(つるぎ町役場商工観光課内)
TEL:0883-62-3111(代) FAX:0883-62-4944
E-mail:syoukou[at]town.tokushima-tsurugi.lg.jp
※[at]は@(アットマーク)に変更して、メール送信ください。