IMG_1783みなさん、お亥の子さんってご存知ですか?
写真は、つるぎ町貞光のまちなみ交流館にある「ぼて」と「たてづき」です。

お亥の子さんとは、旧暦10月の初めの亥の日におこなわれる季節行事です。今年の収穫への感謝と来年の豊作を願うためにおこなわれていました。

つるぎ町貞光端山の猿飼集落では、端山小学校猿飼分校の廃校にともない、残念ながら平成2年よりこの亥の子行事はおこなわれていません。
※平成27年10月30日、25年ぶりに猿飼集落で子どもたちによるお亥の子さんがおこなわれました。詳細はこちらをご覧ください。

小学校低学年の子どもたちが、集落の家々を周り、「亥の子うた」を歌いながら、中心に里芋のずきを入れその周囲を藁縄でぐるぐるに巻いた棒(「ぼて」とよびます)で、庭先の縁側をたたきます。

また、かしの木で作った「たてづき」にかずらで編んだ縄を放射状に複数つけたものを、中学生くらいの子どもたちがめいめいに持ち、かずら縄を引っ張り上下させることで、庭先の地面に打ちつけます。「亥の子うた」を歌いながら複数回打ちつけられます。周囲には「はやし」の子どもがおり、「亥の子うた」に合わせてはやしうたをいれます。家々の人は、子どもたちが来るとお菓子やお金をあげるのです。

バラ寿司を寿司樽の8分目まで入れた「いのこ寿司」もつくられます。寿司樽をいっぱいにしないのは、来年はいっぱいになるようにとの願いがこめられているのです。

毎年亥の日が近づくと子どもたちはそわそわしだしたそうです。先生たちも分かっていますから、亥の日は授業を早めにきりあげ、子どもたちを家にかえしたそうです。「今年の収穫への感謝と来年の豊作を願う」という意味はありますが、友達と亥の子行事を楽しむ子どもたちにとっては、そんなことはどうでもよかったのかもしれません。