東京から移住 愉しみながら農家レストランを運営

大竹 一さん(美馬市穴吹町/農家レストラン風和里)

「田舎暮らし、おすすめしたいですねー」ニコニコとそう話す大竹一さん(写真一番右)は2016年3月、定年退職を機に東京から奥さんの実家がある渕名集落へ、一家で移住してきました。今は奥さん、息子さんらと農家レストラン『風和里(ふわり)』を運営しています。
渕名(ふちみょう)集落は穴吹町の標高250~550m付近にあり、傾斜地農業が行われている天空の郷です。地元で長年農業を営む小泉靖雄さんが、高齢化・少子化から集落の将来を思案していた時に、親戚である大竹さん一家が「移住して起業したい」と言っているのを聞いて農家レストランの話を相談。倉庫を改装して、2017年7月に開業しました。
レストランで出される料理には、地元の傾斜地で栽培された旬の野菜がたっぷり使われています。調理も大竹さんの家族や地元の方々が担当し、地元ならではの一皿から、ヘルシーでおしゃれな一品料理、地元の銘茶やデザートまで、バラエティ豊かにメニューを工夫しています。
「ここは空気が美味しいし、時間がまったくゆっくり流れている。地元の野菜はすごく美味しく、剣山系の湧き水を利用した生活なんで、本当の田舎暮らしがこんなにいいものかと感動しています。ただ、冬は寒くて雪かきに追われ、水も凍って困ったこともありました。しかし不便さよりも、ここの方たちが非常に温かいんですよ。何かあったら声をかけて親身に協力してくれます」
大竹さんは集落の方たちと一緒に、にし阿波全体で移住してくれる人を増やせたらと、取り組みに意欲的です。
「まずはここに来て、良さを体験してほしい。ネット環境も整っているので若い人たちの起業も可能です」

食材はほとんど地元産で、新しい料理と伝統の味の両方が楽しめる。

●農家レストラン「風和里」

住所 :徳島県美馬市穴吹町口山渕名307
TEL :0883-56-0725
定休日:火曜日