農業遺産 傾斜地の野菜パウダー

野呂内野菜加工生産組合(三好市池田町)

三好市池田町の上野呂地区は標高400~500mほどの山間部にあります。
もともと葉タバコの栽培など農業の盛んな地域で、今ではトマトなどの夏野菜が栽培されています。
上野呂地区では過疎や高齢化で耕作放棄地が増え元気のなくなっている地域を盛り上げようと、22世帯の農家の人たちが野菜の加工生産組合「あいくるしぃYumーYum」をつくり活動を始めました。開発された商品は、出荷できなかった野菜を乾燥させたパウダーです。
加工所には廃校になった野呂内小学校の調理場を利用しました。

 

(加工所になっている野呂内小学校)

野菜パウダーには、出荷できない小さいサイズのものや、少し傷がある野菜を利用します。これまで人参、小松菜、ほうれん草、ピーマン、カボチャなど十数種類の野菜を乾燥させて野菜パウダーとして商品化しました。

商品化された野菜パウダーなど

加工所で作業する斎藤さん

野菜パウダーの加工には、朝採れたばかりの新鮮な野菜を使い、乾燥機で1日乾かし粉末にします。野菜の栄養はそのままで乾燥し凝縮されるので健康食品としても期待されています。

 

(乾燥機に入れる小松菜)

また乾燥することで野菜の香りも抑えられるため、小さい子どもを持つお母さんにも人気で、料理に入れることで野菜嫌いの子どもに野菜を好きになってもらうきっかけに一役買っているということです。他にもパンに入れたり、離乳食や高齢者の食事に使ったりと様々な料理に利用できます。

 

(試作で作っているニッキの葉パウダー)

加工組合では今後も、地域の作物を使った色々な商品を開発していきたいということです。