山城町の乳酸発酵「阿波晩茶」
岡田 和さん(三好市/岡田玉芳園)
お茶の産地として有名な三好市山城町で、岡田さんは代々お茶を栽培しています。
山城町といえば、煎茶の生産地として知られていますが、岡田さんは全国的にも珍しい乳酸菌発酵茶「阿波晩茶」を作っています。
まず、阿波晩茶の特徴は、茶摘みの時期。
通常、お茶は4月頃に新芽を摘み取りますが、岡田玉芳園の阿波晩茶は、茶葉を7月末頃まで残し摘み取ります。成長した茶葉の方が新芽より栄養分があり、乳酸発酵しやすいそうです。
摘み取った茶葉は、すぐに大釜で茹でます。
沸騰した湯の中に茶葉を入れ、かき混ぜながら、しばらく煮詰めていきます。
次に、茹で上がった茶葉から大きな茎や、傷んだ葉を取り除きます。
ここからが、いよいよ阿波晩茶ならではの工程です。
茶葉を、揉捻機ですり潰します。
優しく揉むというよりは、しっかり圧力をかけて揉みこんでいきます。
茶葉に傷をつけることで、発酵しやすい状態にします。
その後、茶葉を桶にぎっしり漬け込み、重石を乗せて4~5週間発酵させます。
微生物の力を使って乳酸菌発酵させる珍しい製法です。
すり潰してすぐの茶葉には白い泡がついていますが、次第にこの泡がなくなっていきます。
天日干しで乾燥させれば完成です。
うま味成分が多く含まれている阿波晩茶は、酸味や甘みも感じられるまろやかな味わい。
徳島では、上勝町、那賀町のものが知られていますが、山城町の阿波晩茶もとても美味しいです。
乳酸菌の種類が他の産地とは違うので、飲み比べてみるのもいいかもしれませんね。
岡田さんは他にも、サルナシを栽培し、お茶を作っています。
こちらがサルナシの木。小さなキウィのような実が可愛いですね。
山城町 岡田玉芳園の阿波晩茶、ぜひ味わってみてくださいね。